ロシア大会観戦記

11 4月 2019

ロシア大会観戦記
〜谷村泰嘉昨年・一昨年の雪辱ならず!〜

先月3月27日〜30日にロシア ハバロフスクで開催された『2019年 ハバロフスク アジア太平洋諸国 青少年格闘技大会』 の視察に同行してきました。
私青木は全日本大会で2年連続でロシア人に敗れました。世界最高峰の格闘技であるUFCやボクシングなど冬季競技以外でも強豪を育成しているロシアという国を研究する必要があると感じており、この機会にと思い視察をしてきました。
拙い文章で申し訳ないですが、今回のロシア大会の観戦記をまとめたいと思います。

今大会のルールは禅道会のジュニアエキスパートルールにパウンド(寝技時の顔面パンチ)が含まれたものですが、試合時間2分・グランド時間15秒とエキスパートルールと比べてタイトな試合時間です。
またほかに的確な打撃や抑え込みが1ポイントなどジュニアレギュラールールもミックスされています。(ポイント加算による一本勝ちはなし)

禅道会ユースの強化選手のリーダー的存在の谷村泰嘉選手ほか横浜の本川選手、総本部の相川選手・松田選手、そして新潟夢限会代表岩木先生の御子息岩木 烈生選手が参戦しました。

試合全体の感想は、打撃・グランドのテクニックは日本人選手の方が正直あると思いました。特に谷村選手は一回戦はテイクダウンからの腕十字、準決勝は引き込み腕十字であっさり一本勝ち、夢限会の岩木選手も一回戦、二回戦とも打撃、関節技で一本勝ちと余裕の決勝進出でしたから。
ただロシア人の大振りで雑だけどプレッシャーのあるパンチに対して下がり気味なところに日本人選手はかなりタックルでテイクダウンされていました。
小沢首席師範にも準決勝の後に「全体的に下になってしまうところが気になるなぁ」と漏らしておりました。

そして一番たまげたのは決勝戦は明後日、3位決定戦は明日と聞いていたのに昼食後いきなり「相手選手が明後日まで滞在できないからこれから3位決定戦と決勝だ!」青木「ええー⁈そんなのあり?」谷村「腹パンパンすよ…」
本川・相川(準決勝敗退)「気持ちが…」
正直これはかわいそうでした。特に谷村選手は試合前何も食ってなかったので準決勝後のランチでばくばくボルシチ食ってましたから…笑
やるからにはしょうがない。気持ちを切り替えて行こうとアップミットを少しずつ打ち試合を待ってました。

3位決定戦が終わり(2人とも敗退)決勝まであと15試合あるというので控え室にいたら「そろそろ泰嘉の試合です」といわれ会場に行ったらもう始まってる!急いでセコンドについて見ていましたが、決勝戦の相手選手は打撃のプレッシャー・組みの強さが今までの選手とは違い、グランドでも上をとらせてくれませんでした。
結果は判定負け。三度目の正直ならず禅道会勢は優勝を逃しました。
大会後、小沢首席師範にセコンドのことでこってりしぼられ自分の甘さを痛感いたしました。次回の教訓にしたいです!

ただ、ロシア勢に一矢報いてくれたのは、夢限会岩木選手!一回戦準決勝は貫禄の一本勝ち、3日目に行われた決勝戦でも的確な打撃で試合をコントロールし、見事日本人初優勝!日本人の誇りを若干12歳の少年が守ってくれました!

試合全体の感想はロシア選手の雑だけど打撃とテイクダウンのつなぎが上手で完璧に入らなくても強引に投げれるタフさでした。
日本人選手のウィークポイントは、打撃は上手いけどプレッシャーを与えていない、自分のペースで試合を作れなかったこととテイクダウンの弱さかなと感じました。
また小沢首席師範とのお話の中で「体軸が若干後方なのが簡単にテイクダウンされてしまう要因かもな」みたいなことをおっしゃられていました。
これは道場生全体に言えるかもしれませんが禅道会技術の要であるストレッチ、基本移動稽古で培われる体軸を意識した姿勢、技の緩急などの身体操作法が養われてないのかなと思います。

MMA(総合格闘技)は打撃・投技・寝技の技術がそれぞれ必要なので、テクニックの数は数限りないです。それぞれ違う競技を習いながらMMAを習得する方法は、初心者から始める人は難しいと考えます。
身体の使い方の基本が身についてはじめて色々なテクニックが活きます。
禅道会ではこの身体操作法の習得がストレッチ・基本移動稽古・禅道柔術の反復稽古に集約されているので、まずはここの強化とそれぞれの体格、特徴にあったテイクダウン技術・それぞれの年代にあったフィジカルトレーニングなどをこれからの課題にしたいと考えています。

今回ビザがなかなか取れなくて直前まで行けるか不安だったロシア視察でしたが、とても有意義で予想以上の収穫ができました。
そもそも全日本ジュニア大会での印象から日本のことを嫌いなんかな?と思っていました。ところが実際話をしてみるととても礼儀正しいくて親切に接してくれました。バスの中でも高齢者が乗ってきたら、若い子が当たり前に席を譲る姿を見て、今の日本人に足りないものがあるのかなと感じました。特にロシア支部のアンドリューさんとワッザヴィリさん(←多分本名違いますが笑)の優しさと漢気にはメチャ感動です!「おれたちは格闘技より文化を継承している武道をやりたいんだ!」という発言から武道に対する熱意・敬意が凄まじいことに気づきました。こんな遠い海外で自分たちの武道競技が隆盛していることに嬉しい反面、とても脅威に感じました。
他競技のように本家と分家の力関係が入れ替わってしまうことがないようにしっかりと日本の強さをアピールするために、団体選手の育成・強化選手制度の充実が必要だと感じます。

しかしながら自分も含めまだまだ強くなれる可能性を見つけることができて来てよかったな!思えるとても良い旅でした。
今回この視察のためにご尽力いただいたロシア支部の皆さん、長野支部道場の代理指導していただいた先生方、同行していただいた先生方、選手たちに御礼申し上げます。
Спасибо!